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執筆者の写真幸野コトネ

誓いと祈り


卒業校の先輩方主催で行った展示会に出展した時の絵です。比較的新しい。

ちょっとこれ書いたときのことお話したいなって思ったので、書きます。



テーマが「衣装・コスチューム」という中、最初に選択したのは"喪服"でした。

昔、日本では喪服が白だったってご存知でしょうか。ネット情報なんですけど、歴史的には黒と白が交互で変わり、今は黒って話です。今でも着ていらっしゃる方がいるそうで、消えた文化、という訳ではないようです。

最初は日本、中国、あともう1つ、って3作にしようと思ったのですが、まぁ出てこない喪服白の文化、資料。そして多少変えても大丈夫だろうと喪服を改造すればするほどかけ離れていく衣装…。日本神話のような服になったあたりで、違うなと思いこれは没に。このデザインは人形の方に持っていくつもりです。


その後に出したのがこの絵です。

私、キャラにドレスを着せることが多いのですが、今回は意図的にドレスです。

日本だと神社で誕生を祝い、教会で生涯のパートナーを誓い、そして寺で死を弔う、とまぁ宗教とは一体を体現したような感じですよね。

変わって、キリスト教。そっちだと、ずっと教会で神に誕生を祝われ、永遠の愛を誓い、そして死を弔う。場所こそ違いはあれど、ずっと同じ神様なんですよね。

あ、待って、宗教の話じゃないんです。


そこで着る服の「色」って話なんですよ。


白のドレスって言われると、たぶん皆さんウエディングドレスがパッと出てくるんじゃないでしょうか。じゃあ黒は?喪服かなってなりませんか?

今回のドレス、多少の装飾の違いはあっても、大きな形は一緒なんです。

同じ場所で、同じ人が、同じ型のドレスを着ても、色が違うだけで意味合いが違ってくるんですよ。似合う似合わないの話ではなく。そこが不思議で、おかしな話だなぁと。

宗教は割と人の意味のないエゴの凝縮図だなぁとか、それでも心の支えで、あったら面白いなぁとかそれくらいの気持ちで付き合っているんですが、冠婚葬祭は特に宗教から来てる本当に科学の力で解ける世界なら意味のないことがマナーになってるなって思います。人間社会そんなことばっかだけどな!!!!

そのあたりを雑に上辺だけ掬い取って書いたのがこれ。


着てる人形は同じ人物という設定。

ウエディングドレスのベールは無垢な彼女を守る色々な加護で、それを上げて顔を表すということは、彼女を守る意志の表れらしいです。なので、その誓いの後という意味で、顔のベールはないんです。

一方、喪服、顔を他人、または人じゃない何かに見られないために着けているらしいです。また、これを付けるのは「一番の正装」で、普段そういう格好をしてる方でもない限りは一番近しい親族のみがマナーらしいです。

つまり彼女は近しい人を亡くした人。


持っている花も、ウエディングドレスはバラ。赤のバラ。

バラは花ことばが数ある花ですが、今回は「愛情」を。ちなみに葉っぱにも花言葉があるらしいです。そこから引っ張ってわざとバラと葉にしたんですけど、どこを引っ張り出したのか思い出せないので、気になる方は調べてみてください。

喪服は白のカーネーション。教会が前提なので、そちらで使われるカーネーションに。百合の方が一般的らしいんですけどね。


以上、調べたことと思ったことの備忘録です。

ざっくりまとめると、裏テーマは「対比」。

対比したものは「人生で最大の幸せと悲しみ」「結婚と葬式=生と死」「ドレスの白と黒」「過去と未来、あるいは今と未来、過去と今」「背後の光の黄色と闇の紫」「枠の植物と人工的な装飾」「花の花束と一本」「花の赤と白」。このあたりでしょうか。

割と感覚でやってたりもするんですが、考えに考えて描いてるとこはこの絵に限らず沢山あるんです。今度は娼婦と花魁の奴で対比の話したいですね。好きなんですよ。


と、こんな感じで絵の設定とか、小ネタみたいなのを書いていきたいんですけど、これ大丈夫ですかね?重くない?いや重いのはいつもなんですけど。

お付き合いいただけると幸いです。よろしくお願いします!

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